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食品や体脂肪の脂質の大部分は「中性脂肪」です。単に「脂肪」という場合は、この中性脂肪を指します。

この中性脂肪は、グリセリン(グリセロール)と3個の脂肪酸が結合した構造の「トリグリセリド(トリアシルグリセロール)」です。

このように、脂肪酸は脂肪(中性脂肪)の主要な構成成分なのです。


脂肪酸


脂肪酸の化学構造としては、炭素原子が1本の鎖状に連結した炭化水素鎖を分子の骨格として、その一方の末端には「メチル基(CH3-)」、他方の末端には酸性の「カルボキシル基(-COOH)」があります。

飽和脂肪酸の構造350x180

脂肪酸は、炭素原子間の結合に「二重結合」がない「飽和脂肪酸」と、二重結合がある「不飽和脂肪酸」の大きく2種類に分類されます。さらに、不飽和脂肪酸は二重結合が1個だけある「一価不飽和脂肪酸」と、2個以上ある「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。

脂肪酸の分類500x125


トランス脂肪酸の構造


二重結合を有する不飽和脂肪酸は、二重結合周囲の水素原子の位置により、「シス(cis)型」と「トランス(trans)型」の2種類に分類されます。「シス(cis)」とは「同じ側」を意味し、水素原子が二重結合をはさんで同じ側についている状態です。「トランス(trans)」とは「横切って」という意味があり、水素原子が二重結合をはさんで互いに反対側についている状態です。

シス型とトランス型300x170

トランス脂肪酸(trans-fatty acid)」とは、「トランス型」の二重結合を持つ不飽和脂肪酸の総称です。トランス脂肪酸を含む脂肪は、「トランス脂肪(trans fat)」と言います。

天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、二重結合が全て「シス型」です。トランス脂肪酸は、食品中に天然に含まれているものと、食品加工の工程で生成するものがあります。牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、消化管内の微生物の働きでトランス脂肪酸が作られるので、牛肉、羊肉、乳製品には天然のトランス脂肪酸が微量含まれています。

常温で液体の油から固体の油脂を製造するために、水素を添加して不飽和脂肪酸の二重結合を減らして、飽和脂肪酸を増やす「水素添加」という加工技術がありますが、その際にトランス脂肪酸ができることがあります。水素添加した油脂を用いた食品にトランス脂肪酸が含まれていることがあります。





トランス脂肪酸は体に悪い?


脂質は、「炭水化物(糖質)」、「タンパク質」と並ぶ3大栄養素の1つであり、摂取量が少なすぎても健康を損なうことがあります。しかし、脂質は炭水化物(糖質)やタンパク質よりも単位量あたりのカロリーが大きいため、摂りすぎると肥満や生活習慣病のリスクを高めます。世界保健機関(WHO)では、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸の摂取量の基準を定めています。

トランス脂肪酸は、摂取し過ぎた場合の健康被害が注目されています。日常的にトランス脂肪酸の摂取量が多い場合には、心臓病のリスクが高まることが示されています。しかし、トランス脂肪酸の研究の多くは脂質摂取量が多い欧米人を対象としており、脂質の摂取が少ない日本人にも当てはまるのかどうかは不明です。

また、天然にあるトランス脂肪酸と食品加工の工程で生じるトランス脂肪酸とでは、健康への影響に違いがあるのか、さらに、具体的にどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについて、十分な科学的根拠はまだありません。


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